実体関連図 (ERD) は、単純なものから複雑なものに至るまで、さまざまなデータベースのモデル化に欠かせないものですが、その図形や表記法には理解しにくい点もあります。このガイドでは、ERとERR図記法をマスターし、データベースをモデル化するために役立つ内容を紹介しています。
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実体関連図 (ERD) の作成には、Lucidchartにお任せ。インポート機能で時間を欠けずに専門的な図が作成できるプラットフォームです。
概念 ER 図の記号
概念データモデルは、モデルセットに含めるべき内容の概略を定めるものです。概念 ERD は、論理データモデルの基礎として使用することができます。また、ER モデル間にデータモデル統合の基礎となる共通関係を形成する目的でも使用されます。以下の記号はすべて、Lucidchart の UML 実体関連/実体関連図ライブラリに含まれています。
ERD 実体の記号
実体とは、重要なデータを表すオブジェクトや概念を指します。実体は通常、製品、顧客、場所やプロモーションなどの名詞となります。実体関連図で一般に使用される実体には以下の3つの種類があります。
実体の記号 | 名称 | 説明 |
---|---|---|
強実体 |
これらの図形は他の実体から独立しており、これらに依存する弱実体をもつため、親実体と呼ばれることもしばしばあります。また、実体を実現毎に区別する主キーを持ちます。 | |
弱実体 |
弱実体は、他の実体型に依存します。主キーを持たず、図において、親となる実体なしでは意味を持ちません。 | |
関連実体 | 関連実体は、複数の実体型のインスタンスを関連付けます。また、これらの実体のインスタンス間の関連に固有の属性をも含みます。 |
ERD 関連の記号
実体関連図において、関連は2つの実体間の相互作用を記録するために用いられます。関連は通常、実体型のみでは識別することができない「割り当てる」や「関連付ける」、「追跡する」や「有益な情報を提供する」などの動詞の形をとります。
関連の記号 | 名称 | 説明 |
---|---|---|
関係 |
関連は、複数の実体間のつながりを示します。 | |
弱関連 |
弱関連は、弱実体とそ の所有者との間のつながりを示します。 |
ERD 属性の記号
ユーザーがデータベースへの理解を深める上で役立つ実体の特性が ERD 属性です。属性には、概念 ER 図で強調されるさまざまな実体に関する詳細が含まれます。
属性の記号 | 名称 | 説明 |
---|---|---|
属性 |
属性は、実体、多対多の関連または一対一の関連の特性を示します。 | |
多値属性 |
多値属性は、複数の値を取ることができる属性です。 | |
派生属性 |
派生属性は、関連する属性の値からその値を計算できる属性です。 | |
関係 |
関連は、複数の実体間のつながりを示します。 |
実体関連図 (ERD) の作成には、Lucidchartにお任せ。インポート機能で時間を欠けずに専門的な図が作成できるプラットフォームです。
ERDを作成物理 ER 図の記号
物理データモデルは、実体関連図のうち最も詳細なもので、データベースへの情報の追加プロセスを表します。物理 ER モデルは、列名、列のデータ型、列の制約、主キー、外部キー、表間の関連など、表の構造すべてを示します。
以下に示すとおり、表を使って実体を表すこともできます。実体関連表の主な要素を紹介します。
フィールド
フィールドは、対象の実体の属性を定める表の一部を構成します。属性は通常、ERD のモデル化する対象のデータベースの列とみなされます。
上記の図では、InterestRate と LoanAmount はいずれも実体の属性で、フィールドとして含まれています。
キー
属性を分類する方法のひとつがキーです。ER 図は、整理され、効率的で高速な状態にデータベースを保つためのさまざまな表により、ユーザーによるデータベースのモデル化に寄与します。データベース内のさまざまな表を最も効率的に相互リンクするためにキーが使われます。
主キー
主キーは、実体の唯一のインスタンスを一意に識別する属性または属性の組み合わせです。
外部キー
外部キーは、属性が他の属性と一対一または一対多の関係で関連付けられるたびに生成されます。
それぞれの車に対して資金提供を行うことができるのは銀行1行のみです。そのため、Bank (銀行) 表の主キー「BankId」はCar (車) 表で外部キー「FinancedBy」として用いられます。 この「BankID」は複数の車の外部キーとして用いることができます。
型
型とは、表内の対応するフィールド内のデータの種類を指します。また、実体の組成を示す実体型を指すこともあります。例えば、書 籍の実体型は著者、書名、発行日となります。
er図の表記法
一般に、カラスの足記法が最も直感的なスタイルとされますが、好みに応じて OMT、IDEF、バックマン、UML 記法などを用いる場合もあります。ですが、Lucidchart では、直感的なグラフィック形式をもつカラスの足記法を ERD 記法として勧めています。
濃度と序数性
濃度とは、1つの実体のインスタンスを他の実体のインスタンスに関連付けられる最大回数を指します。他方で、序数性とは、1つの実体のインスタンスを関連実体のインスタンスに関連付けられる最小回数を指します。
濃度と序数性は、選択した記法に従い、線とその終点のスタイル設定により示されます。