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QFD 品質機能展開

品質機能展開 (QFD) を作成する方法

読み取り時間 : 約1分

投稿者 : Lucid 編集部

あらゆる製品は特定の顧客のニーズを満たすことを目指して開発されますが、顧客が実際に必要としているものをピンポイントで特定するのはそれほど簡単ではありません。顧客の問題点を明確に把握できていなければ、開発プロセスが膨張し、方向を見失い、最初から失敗への一直線をたどることになりかねません。

品質機能展開 (QFD) とは、こうした問題に応えた方法論で、「品質の家」と呼ばれるマトリックスの作成から始めて顧客のニーズに対応する明確なフレームワークを提供するものです。以下では、QFD の詳細と品質の家テンプレートを顧客に響く製品づくりに役立てる方法を説明します。

品質の家展開テンプレート
品質の家(オンラインで変更するには画像をクリック)

品質機能展開とは?

品質機能展開とは、いかにも技術的な響きですが、本質的には企業が顧客の声 (VOC) を製品開発に組み込むためのプロセスで、以下のような多数のメリットが得られるものです。

  • 顧客を理解する : 顧客自身が何を欲しがり、何を必要としているかを分かっていないこともよくあります。品質機能展開では、顧客自身よりも的確に顧客のことを理解することを目指しています。
  • 顧客が製品の価値をどう捉えるかを予測する : 一時流行ったハンドスピナーは、元は ADD、不安や自閉症対策として考案されたものでしたが、大半のユーザーには授業中や休み時間の暇潰しや遊び道具として使われていました。開発プロセス全体において、顧客が製品の価値をどう認識するかを判断するのが重要となります。
  • ステークホルダーからの支持を獲得する : 顧客のニーズを組織のあらゆる部門に伝えることで、開発、マーケティングや営業などの部門でそうしたニーズに合わせたプロセスが作れるようになります。
  • 顧客のニーズを目標設定に利用する : パフォーマンス目標を定めずに製品が顧客のニーズをどの程度満たすかを測ることはできません。パフォーマンス指標 (CTQ)、コンセプト、設計特性、プロセスのパラメーターや生産管理などの目標を決めてみましょう。
  • 文書要件 : 自明のことですが、要件を文書化しなければ、顧客のニーズが確定せず、部門から部門への口伝でねじ曲げられてしまう可能性があります。
  • 枠組みを提供する : 非効率になりがちな製品開発の前工程でQFD を使うことで、意図的な開発アプローチを取るためのロジックと構造を確立することができます。
  • リソースの優先順位付けをする : QFD を使うことで、顧客にとって、また収益面で最も重要な分野を特定し、こうした分野にリソースを優先配分できます。

上述のとおり、QFD の各側面は、アンケート、フォーカスグループやインタビューからのフィードバックに基づいて組織が捉える顧客のニーズという同じ「北極星」を向いています。こうした顧客のニーズこそが、製品開発を成功させるために組織が目指すべき指標なのです。

QFD プロセスのフェーズ

QFD プロセス全体はこの記事で説明するよりもはるかに複雑ですが、ここでは以下の基本的なステップを紹介します。

  1. 製品の定義 : このフェーズでは、 インタビュー、フォーカスグループなどの方法を使って VOC を収集し、こうした顧客要件を製品の機能や設計要件にどう反映させられるかを検討します。「品質の家」はこの段階で使います。
  2. 製品の開発 : このフェーズでは、品質の家で優先順位を付けた製品の仕様を部品やアセンブリの特性に変換し、機能要件を定義します。
  3. プロセスの開発 : このフェーズでは、製品の仕様を満たす製造組立プロセスを設計します。
  4. プロセスの品質管理 : 最後に、QFD プロセスの使用者が重要な特性を特定し、そうした特性を満たす制御、検査、テストを開発します。

「品質の家」とは?

耳慣れない響きですが、QFD における「品質の家」とは顧客の声を分析するツールで、競合状況の調査や各顧客ニーズの重要度などの複数の要因を通じ、優先すべき製品使用を判断するのに役立ちます。

品質の家の例
品質の家の例(オンラインで変更するには画像をクリック)

品質の家テンプレートの使い方

新しいスマートフォンを設計する企業を例に、品質の家をまとめるプロセスを見ていきましょう。

1. 顧客のニーズと評価を追加する

品質の家の左側に調査に基づき最も重要な顧客ニーズを入力します。例えば、この例では、顧客はスマートフォンの購入時に以下の特性を気にかけます。

  • サイズ
  • 軽量
  • カンタン操作
  • 信頼性が高い
  • 安価
  • 大画面
  • バッテリーが長持ち
  • カメラが高品質

リストアップした顧客ニーズの隣に、それらの要件の重要度を1から5のスケールで評価します。顧客がいくつかの性質を重要視するかもしれませんので、例えば5や4が複数あっても構いません。また、評価は整数でなくても結構です。

右側には、各要件につき、顧客の重要度評価の比率を入力します。比率は要件の評価 (1~5) をすべての評価の合計で割って算出します。

品質の家 顧客重要度評価

2. 設計要件を列挙する

関連マトリックスの上に、重量、製造費用、オペレーティングシステムなど、製品の設計要件を水平に追加します。

3. 顧客ニーズと設計要件の関連を検討する

以下の記号を使い、関連マトリックスで各設計パラメーターが顧客ニーズにどの程度影響するかを特定します。

品質の家 関連マトリックス記号

例えば、顧客が手頃な価格のスマートフォンを希望する場合には、製造費用が価格に大きく影響してきます。製品に使用されるオペレーティングシステム、バッテリーやガラスも全体的なコストに影響しますが、影響度はさほど強くありません。

関連マトリックスへの入力が終わったら、各設計要件の重要度評価と重要度の比率を追加していきます。重要度評価は、重要度評価のパーセンテージに各顧客ニーズとの関連スコアを掛け合わせて算出します (この例では、顧客にとっての「サイズ」の重要度は4%、関連スコアは9のため、重要度評価は0.36)。これらの数値を合計して重要度評価を出します。

重要度評価をすべて算出したら、各評価をパーセンテージの合計で割ります。最も重要性評価またはパーセンテージが高い要件が、企業が優先すべき、また投資を強化すべき機能となります。

品質の家 関連マトリックス

4. 相関マトリックスを作成する

相関マトリックスは、設計要件が相互に及ぼすプラスとマイナスの影響を決定します。

品質の家 相関マトリックス記号

各設計要件の上に、その機能や特性が低い (下向き矢印) 方がよいか、高い (上向き矢印) 方がよいかを記号で示します。例えば、スマートフォンの重量は軽いほうが望ましいため、下向き矢印を追加し、他方で、バッテリーは高い (=長持ちする) 方がよいので、上向き矢印を追加します。評価は状況により異なります。

これらの上向き/下向き矢印に基づき、設計要件間の相関を判定します。相関マトリックスの凡例を使用し、適切な記号 (2つの機能間の四角内に配置) でこれらの関係を指定します。

品質の家 相関マトリックス

例えば、オペレーティングシステムはスマートフォンの推定寿命に大きく影響します。これらのいずれにも上向き矢印があるため、2つの機能には強い相関があるということになります。

5. 競合状況の調査を追加する

最後に、競合評価を行い、現時点で顧客ニーズのそれぞれに対して各社がどう対応しているかを測り、見過ごされている内容や競争優位性を獲得できる点を判断していきます。

相関マトリックスと競合状況の調査は重要度評価には影響しませんが、最も重要な顧客ニーズや設計要件を判定する上で役立つ材料となります。

これで品質の家が完成しました。顧客のニーズや要望に訴える上で製品に絶対になくてはならない内容を探る上で、この図が道案内役を果たします。また、顧客の声を文書化し、製造過程ですべてのプロセスを予定通り進めるためにも有用なツールとなります。

チームで QFD を使うべきタイミング

QFD や品質の家の作成には多大な労力を要するように思えます。なぜ、顧客のニーズを測り、そのニーズに合わせて開発を行うために、こうも面倒なプロセスを経なければいけないのはなぜでしょうか?その理由は、QFD が以下の内容がひとつでも当てはまる企業に大いに役立つためです。

  • 顧客満足が組織の主な目標である。
  • 開発に遅延が発生している。
  • 顧客のニーズに関し、部門間でのコミュニケーションがうまく取れていない。
  • 製品とプロセスに関する意思決定に明確なガイドラインがない。
  • 明確に文書化された製品の定義がない。
  • 新しい市場に参入予定だ。
  • 製品の性能が予想通りでない。
  • 製品が生活必需品となっている、または消費者にすでに生活必需品として見られている。
  • ニーズが異なる複数の顧客を抱えている。

また、製品の開発と市場投入に時間がかかればかかるほど、開発に費やすリソースも増えていくものです。開発プロセスを迅速かつ効率的に進めることは、組織にとってメリット以外の何物でもありません。

Lucidchart を使えば、QFD を使って品質の家をスピーディに作成できます。また、無料のテンプレートでリアルタイムでいつでも最新の状態に保てる品質の家を作成し、部署内の誰とでもわずか数秒で手軽に共有できます。

著者について

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