組織図とは? 組織図は、組織や会社の内部構造を示す図です。従業員と役職がボックスなどの図形で表され、写真、連絡先情報、メール、ページのリンク、アイコンやイラストなども含まれることがあります。それぞれのレベルは、直線や折れ線で接続されます。 これらの構成要素が集まり、組織を構成するさまざまな社員、職務や部門の明確かつ視覚的な図示が実現します。
組織図は、
組織チャートやオーガノグラム
(英語では、Organogram の他にOrganigram
またはOrganigramme
と表記される場合もあります)、さらに階層図
としても知られています。呼び方はいろいろですが、すべて同じ意味を表しています。この記事を読むのに必要な時間 : 5 分
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組織図の歴史
鉄道の最高責任者であったダニエル・マッカラン (1815年~1878年) が1855年に設計した図が、最初の現代的な組織図とされています。これは、ニューヨークとエリー鉄道を図示したものでした。マッカランはこの図を製図者兼土木技術者であったジョージ・ホルト・ヘンショウ (1831年~1891年) に作成させました。スコットランド出身のマッカランは、南北戦争で北軍少将を務めた人物でもあります。カナダ人のヘンショウは、カナダ、米国、デンマークの上水道会社や鉄道会社に勤務した経歴があります。
「組織図」という言葉が一般に使われるようになるまでには、この後さらに50年から60年を要しました。コンサルタント兼技術者のウィラード・C・ブリントンが、1914年に発表した教科書「視覚的な事実提示の方法 (Graphic Methods for Presenting Facts)」でこの用語を用いています。この中で彼は、組織図のもつ価値を説き、もっと幅広く利用されるべきものであるとしています。1920年代まで、この図は技術者を中心として使われてきました。その後、ビジネス界での導入が進みました。
「組織図」に比べると馴染みの薄い別名、「オーガニグラム (Organigram)」や「オーガノグラム (Organogram)」が使われるようになったのは1960年代のことです。
関連する図には、
「オーガ二グラフ (Organigraph)」
と呼ばれるものもあります。組織構造を反映する点では同様の図ですが、組織図に比べて直線的な要素が薄く、部門、製品、サプライチェーン間の関連や機会を図示するといった異なる用途に使われるものです。会社に欠かせない組織図の種類
組織図に最適な形式とはどのようなものでしょうか? ニーズと組織の種別によっては、あまり一般的ではない形式の組織図が適していることもあるでしょう。組織図には主に、
階層型、マトリックス型、
フラット型
の3つの形式があります。-
階層型組織図
: 最も一般的なタイプの組織図であり、別名階層図
としても知られるものです。ある1つのグループや人物が頂点に位置し、相対的に弱い権力をもつグループや人物がその下に配置され、ピラミッド型の階層を形成します。王や女王を頂点に抱く君主国や CEO を最高権力者とする組織が具体的な例として挙げられます。階層型構造では、メンバーは直属の上司や複数の部下とコミュニケーションを取るのが一般的です。
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マトリックス型組織図
: この形式は通常、ある構成員が複数の上司をもつ場合にのみ見られるものです。例えば、メンバー全員が主任グラフィックデザイナーを直属の上司とするグラフィックデザイナーチームを擁する組織があり、これらグラフィックデザイナーは、別のプロジェクトマネージャーが管轄する他のプロジェクトにも参加しているとします。この場合、このグラフィックデザイナーチームのメンバーには上司が2人いるということになります。
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フラット型組織図:
時に水平型組織図
とも呼ばれる形式で、中間管理職レベルがほとんど、あるいはまったく存在せず、一般に管理者と従業員の2つのレベルで構成されるものです。こうした企業では、そうでない企業に比較して従業員のもつ権限が大きく、意思決定に直接関与する機会がより多くなる傾向にあります。
組織図内の関係は、上司から部下への縦型構造を示した
直線的関係
(または指揮系統
) と、同じレベルの構成員を示した横断的関係
と称されることもあります。直線的関係においては、主な指揮系統を示す実線
や副次的な指揮系統を示す点線
が使われる場合もあります。公式な関係が明確に示されている限り、組織図で使用する記号や線に関する特定の決まりごとはありません。組織図の長所と短所
こうした種類の図に反映される3つの組織にはそれぞれ、長所と短所があります。 簡潔にまとめると以下のようなものとなります。
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階層的で垂直型のトップダウン組織
では、指揮系統や情報伝達系統が明確なのが特長です。極言すれば、軍隊のような組織といえます。ビジネスの世界では、最高経営責任者を始めとする経営陣をトップに、取締役、上級管理職、中間管理職、チームリーダー、そしてチームメンバーへと下方へ形成される組織が例として挙げられます。こうした構造の長所は、明快さと安定性にあります。潜在的な弱点としては、硬直性、つまり必要に応じて柔軟な対応ができない点が挙げられます。組織同様、管理層が肥大化しやすい点もまた問題と言えます。 -
マトリックス型組織
では、部門間の関係がより有意義となり、協力的なものとなる可能性があります。しかし、複数の上司や部署の下で働くことにより、従業員に信義の相反や利害の対立が生じる可能性もあります。 -
フラットな水平型の組織
では、管理層の大半が省略されており、経営陣と従業員の距離が近いのが特長です。小規模の企業や組織でよく見られる形ですが、大規模な組織の場合には実用性に欠けます。従業員には、より強固なチームワークと自治意識が感じられる傾向が強いものの、業務に関わる人数が少ないため、従業員間の競合が激化しやすい傾向もあります。