パフォーマンス管理プロセスのレベルを上げる準備はできていますか?
パフォーマンス管理は企業の成功や収益性向上に欠かせません。それにもかかわらず、実に48%もの組織が、パフォーマンス管理プロセスに改善が必要だと考えています。 重要なのは、従業員と管理職の双方にとって有益となるようにレビュープロセスを変え、エンゲージメントを高め、有意義な結果を出していくことです。
ただ、口で言うほど簡単ではありません。実現するには、どうすればいいのでしょうか。
パフォーマンス向上計画(PDP)プロセスは、従来の年次レビュープロセスにおける非効率性や不正確性を軽減し、従業員と管理職が同様にパフォーマンス管理に積極的に取り組むことができるようにするものです。
PDP とは?
パフォーマンス向上計画は、従業員のパフォーマンスを向上させるためのツールです。PDP プロセスは、管理職と従業員が改善すべきエリアを特定した上で、目標を設定し、進捗状況を測定することで、これらの目標を達成するための戦略を立てるのに役立ちます。
従業員と管理職が進捗状況を追跡し、必要に応じて計画を調整することができるよう、パフォーマンス向上計画は通常、四半期ごとに(通常のパフォーマンスレビューと並行して)行われます。

パフォーマンス向上計画のメリット
パフォーマンス向上計画は、組織全体のパフォーマンスを改善・測定するための優れた方法です。PDP には数多くのメリットがあります。
- チームや組織の目標との整合性を高める
- 進捗状況と結果が測定可能
- 説明責任を明確にする
- 戦略的な人材育成
- 目標を達成するための明確なロードマップ
パフォーマンス向上計画プロセスにより、従業員は個人そしてプロフェッショナルとして組織内で成長していくことができます。これは、パフォーマンスを管理し、改めるべき箇所を改善していくのに役立つだけでなく、チームに負荷をかけて、成長を促す貴重なツールです。
従業員(および管理職)が自身のキャリアと仕事での目標を評価し、より有意義かつ効果的な貢献をする機会を提供します。
パフォーマンス向上計画プロセスの 対象者
通常、管理職をはじめとするビジネスリーダーが、部下と一緒になって PDP プロセスを進めていきます。
管理職は改善機会を特定し、推奨事項をまとめられるよう、部下と面談する前に、部下のこれまでのパフォーマンス向上計画を見直し、その後、一緒にパフォーマンスを振り返って、今後の向上計画を作成していきます。
改善機会の種類
スキルを磨き、パフォーマンスを向上させる方法はたくさんあります。
部下と一緒に来年取り組むべき主な目標を特定したら、次の項目をパフォーマンス向上計画に含めることを検討してみましょう。
- 新しいプロジェクトや責務
- ワークショップ
- セミナー
- 専門家会議
- 資格取得
- メンターシップ
- ボランティア活動
これらはすべて、専門知識を深め、新しいスキルを身につけ、組織内外で才能を発揮する機会を提供します。
PDP プロセスのステップ
管理職は、このプロセスを主導し、パフォーマンスレビューを行いながら、部下が個人的なパフォーマンス向上計画をカスタマイズできるように推奨行動を提案していきます。
チームには、パフォーマンスレビューを行う時期を前もって(少なくとも2週間前に)知らせ、レビュー用に、パフォーマンス向上計画の草案を各自作成しておくように伝えます。
PDP 面談が最も効果的になるように、チームに次の作業を実行させます。
1. パフォーマンスレビューを行う
従業員はまず、直近の四半期(またはレビューの対象期間)における自身のパフォーマンスレビューを行い、うまくいったこと、うまくいかなかったこと、次の四半期に取り組みたいことを評価する必要があります。
管理職へのアドバイス:部下がレポートを準備する際の方向性が明確になるよう、簡単なパフォーマンスレビューの概要を事前に提供しておきましょう。(この概要で部下の改善機会または成長機会について簡単に説明します)。これにより、面談を行うときにも認識のズレが起きません。
2. 改善目標を特定する
次に、従業員は改善したい分野(または上司が指摘したパフォーマンスにおける問題)に基づいて目標を立てる必要があります。通常、「改善カテゴリー」ごとに1~3つの目標を立てれば十分でしょう。
目標は、組織の目標と一致し、具体的かつ現実的でなければなりません。従業員の可能性を伸ばすような目標を設定するのは良いことですが、与えられた時間枠内で、利用可能なリソースを使って達成できることが重要です。チームメンバーが無理なく達成できる目標を設定するために、 SMART 目標設定を活用することを検討してください。
管理職は、部下が自身またはチームや組織全体の双方にとって有意義な目標を立てるのを支援することができま す。

3. 目標を達成するための実行可能な手順を列挙する
従業員は、各目標の下に、目標を達成するために実行する具体的な手順を列挙していきます。実行可能な計画がなければ、目標達成に向けて進んでいくことも、進捗状況を追跡していくことも困難になります。
ここでは、従業員のパフォーマンス向上に役立つアクティビティの一部をご紹介します。
- ワークショップやセミナーへの参加
- トレーニングを受ける(または受け直す)
- メンターと一緒に課題に取り組む
- 特別なプロジェクトにおいてボランティア活動を行う
4. 指標とマイルストーンを明確にする
明確な目標を掲げ、計画を立てたら、次は四半期を通して進捗状況を測定できるよう、具体的な指標やマイルストーンを設定する必要があります。
目標達成の判断はどのようなタイミングで下すことができるでしょうか?
進捗状況は以下のような方 法で追跡できます。
- 業績
- 習得したスキル
- 特定のタスクの完了
目標をどのように測定するかは、目的によって異なります。管理職は、社員が自信を持って目標達成に向けて進むことができるよう、評価指標を厳格に定め、基準の明確化を支援する必要があります。
5. 必要なサポートとリソースを特定する
パフォーマンス向上計画では、従業員が目標を達成するために必要なリソースについてもまとめておく必要があります。つまり、従業員の計画を実行するには何が必要かを明確にする必要があるのです。
従業員が必要とするリソースの例をいくつか紹介します。
- 通常の業務以外の作業に取り掛かるための時間
- 出張費
- サポーター(メンター、コーチ、トレーナー、講師、チームメンバーなど)
- 追加ツール(新しいソフトウェアや機器など)
- 進捗状況を確認するための管理職との定期ミーティング
もし、あなたのチームや組織が従業員に必要なサポートを提供できない場合は、従業員の目標や行動計画を達成しやすいものに変更するために話し合う必要があります。
6. 計画の再確認と確定
目標を設定し、計画を立てたら、従業員が管理職に PDP を提示します。
従業員と一緒に計画を見直し、目標が適切であること、組織の目標と一致していることを確認して、問題点があればこれを解決し、行動計画を完成させる必要があります。
PDP を再確認する際には、次の質問を念頭に置きます。
- 従業員は自身のパフォーマンスにおける問題と改善すべき点を理解しているか?
- 従業員の目標は自身のパフォーマンスにおける問題に関連したものになっているか?
- 従業員の計画は明確で焦点が絞られているか?また、手順が明確で、実行可能か?
- 目標の達成度を正確かつ確実に測定できるか?目標の達成度を定量化する方法はあるか?
- 達成の期限とマイルストーンについて、従業員との間に合意があるか?
- 従業員が目標を達成するために必要なリソースを提供できるか?
これらの質問への回答によっては、従業員と協力して目標や行動計画を見直す必要があるかもしれません。
計画が完成したら、従業員が達成に向けて順調に進んでおり、必要なリソースが利用できていることを定期的に確認するようにします。
パフォーマンスレビューと目標設定は、管理職とその部下にとってプレッシャーのかかる作業となることがありますが、よく練られたパフォーマンス向上計画があれば、部下が仕事での目標を達成し、エンゲージメントを高めるのに役立ち、大きな違いをもたらします。

仕事での目標を達成するために過去、現在、そして未来に続くキャリアパスを計画しましょう。
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