サービスブループリントとは?

サービスブループリントとは : 効率的なサービスプロセスの設計方法

読み取り時間 : 約1分

顧客にサービスを提供する際に、改善の余地がある点や間違った点を特定するのは難しいものです。自社にとっての顧客像や顧客にとってのサービスの開始点と終了点など、見極めるのは容易ではありません。

適切なタイミングでサービスプロセスに介入し、こうした質問の答えを見つけられるかどうかが、サービスを提供する組織が成長とイノベーションを実現できるか、失敗に終わるかの分岐点となります。

サービスとは、複雑かつ多層的なプロセスであり、さまざまな人とテクノロジーが多数連携して機能するべきものです。この全体像を図式化したものがサービス設計図です。

詳細なサービス設計図の例
詳細なサービスブループリントの例(オンラインで変更するには画像をクリック)

サービス設計図とは、その名の通り、サービスプロセスの設計図を描く際に役立つ図です。顧客満足度を高める革新的でニーズに沿った変更を実現するには、顧客からサードパーティのベンダーに至るまで、あらゆるステップとアクターを可視化する必要があります。これを支援するのがサービス設計図です。

以下では、この図の特徴と Lucidchart でサービス設計図の例やテンプレートを活用する方法を説明しています。

サービス設計図とは?

サービス設計図は、1984年に G. Lynn Shostack 氏が Harvard Business Review で初めて紹介したもので、サービスプロセスに含まれるステップを視覚的に図式化し、新しいプロセスの設計、既存のプロセスの記録や改良を支援するツールです。

UML (統一モデリング言語) や BPMN (ビジネスプロセスモデリング表記法) よりもシンプルで、顧客の視点を含め、組織のサービスプロセスを柔軟かつ集中的に検討するのに適しています。サービス設計図とカスタマージャーニーマップは決して同じものではなく、顧客調査から得られた知見をサンプルシナリオに集約するという点で図に含まれる情報はどちらも似ていますが、サービス設計図はより広い範囲をカバーしています。

カスタマージャーニーマップは、特定のアクションや接点から問題点まで、顧客がサービスやビジネスとやり取りする際の体験に焦点を当てたもので、サービス設計図はこれをさらに深め、顧客に見えるものと見えないものを含め、すべての従業員のアクションやサポートプロセスと顧客体験とを結びつけたものです。

カスタマージャーニーマップの例
カスタマージャーニーマップの例(オンラインで変更するには画像をクリック)

サービス設計図の要素

サービス設計図には通常、図式化するサービスの主要な構成要素となる5つのカテゴリーが含まれます。

物理的証拠

顧客 (または従業員) が接触するもの。最初の行ですが、通常は最後に追加する要素となります。

例 : このカテゴリーには、実店舗や会社のウェブサイトなどに限らず、看板、レシート、通知や確認メールなども含まれます。

顧客のアクション

サービス体験中に顧客が行うこと。

例 : 顧客は、ウェブサイトへのアクセス、従業員への (直接またはオンラインで) 問い合わせ、購入、注文、注文の受諾、何らかの受け取りをすることがあります。

フロントステージまたは目に見える従業員のアクション

顧客が目にし、やり取りする対象。ハイテク企業の場合には、このカテゴリーを顧客とやり取りするテクノロジーに追加するか、置き換えます。

例 : 従業員は、実店舗や事務所を訪問した顧客への挨拶、チャット経由での質問への回答、メールの送信、注文への対応、ステータス情報の提供などを行うことがあります。

バックステージまたは目に見えない連絡担当従業員のアクション

顧客には見えないものの、サービスを実現する上で必要なその他すべての従業員の行動、準備、任務。

例 : 従業員は、ウェブサイトやメールなどのコンテンツの作成、承認、レビュープロセスの完了、準備、注文の梱包などを行うことがあります。

サポートプロセス

従業員によるサービスの提供を支援する社内または追加の活動。

例 : オフィス用品、運送サービス、使用する機器やソフトウェア、配送や支払システムなどを納入するサードパーティのベンダー。

サービス設計図には各カテゴリーを区切るラインも含まれ、サービスプロセスの構成要素がどのように相互作用するかが分かりやすくなっています。これが、従業員や管理職がそれぞれの役割に対する理解を深め、さらに、サービス体験内で顧客の不満の元となりそうな点を認識する上で役立ちます。

オプションのカテゴリー

さらに詳しい内容を含めたい場合には、各ステップの所要時間を示すタイムライン、目標を測定するための成功指標、プロセス内での顧客の感情などを追加することもできます。

基本的に、サービス設計図の中心となるのは顧客です。顧客中心とすることで、サービス設計のビジョンが明確になり、組織がプロセスを改善し、快適で思い出に残る顧客体験を提供できるようになります。

サービス設計図を使うメリット

サービスには目に見える形がないため、意思決定者や経営陣に変化が必要なことを納得させるのが難しいこともあります。プロセスの全体像が把握できていない状態では、具体的な変更について説明するのも容易ではないでしょう。プロセスに含まれるステップとやり取りの一つ一つを可視化すれば、曖昧さが消え、改善の余地がはっきりと浮かび上がってきます。

サービス設計図には、組織のサービスプロセス最適化以外にも以下のようなメリットがあります。

  • 拡張性と柔軟性 : 必要に応じて大小さまざまな情報を追加できるため、俯瞰的な概要と複雑なステップのどちらも表現することができます。
  • 部門横断性と知識の移行性 : 長期にわたるプロセスや複雑なプロセスでは、従業員や管理職がプロセスの全体像やアクションが他部署、同僚や顧客に与える影響を見失いがちになりますが、こうした場合のやり取りの明確化やサイロ化の防止に役立ちます。
  • 競争 : サービスのあるべき姿と現状を比べたり、競合他社と自社のサービスを比べるのに役立ちます。
  • 失敗分析 : 誰が何をすべきかが分かれば、問題が発生した際にも診断がしやすくなります。

サービス設計図を作成することで、運営上の目標を実践し、達成するための構造が可視化できるようになります。また、組織を横断する形式の図のため、顧客、従業員、経営陣の間のコミュニケーションを改善でき、企業が顧客を理解し、そのニーズに応え、かつサービスプロセスの無駄な複雑化や冗長化を防ぐ上でも役立ちます。

サービス設計図を作成する方法

サービス設計図は、サービスを設計するどの時点でも作成できます。

1. 顧客のシナリオを考える

新たなプロセスを作る場合でも、既存のプロセスをマッピングする場合でも、実現したい顧客サービスのシナリオ作りから始めます。この時点では、顧客の実体験や理想とする体験にできるだけ近くなるよう、実際の顧客の声を取り入れるのがよいでしょう。

2. 顧客体験を図式化する

シナリオが決まったら、顧客がたどる体験を時系列でプロットします。

3. 顧客の行動から内容を追加する

顧客のサービス体験をすべて図上に配置できたら、フロント/バックステージのアクション、サポートプロセス、物理的証拠、時間など、他のカテゴリーを顧客のアクションに追加します。顧客が各アクションを実行する間に従業員が何をしているか、実行されるサポートプロセスの内容などを検討します。

4. 責任範囲とアクションのラインを明確にする

ラインで区切って各カテゴリーを明確に分け、サービスプロセスの中でさまざまなアクターが相互作用する様子を表します。

  • 相互作用のライン : 顧客がサービスや従業員とやり取りする箇所。
  • 可視性のライン : 従業員や組織のプロセスが顧客に見えなくなる箇所。
  • 内部のアクションのライン : 顧客と接触しないパートナーや従業員がサービス支援を行う箇所。

5. 部門横断的な関係を明確にする

各カテゴリーが図式化できたら、矢印を追加して図にさらに詳細な情報を追加していきます。各レーン内に時系列でステップを配置したところに、異なるカテゴリー間の関連や依存関係を矢印で示することができます。単方向の矢印の場合には、矢印の示す方向に向けてやり取りが行われることを示し、双方向の矢印の場合には、何らかの合意に達する必要があること、または何らかの形で相互に依存関係があることを示します。

こうした要素を組み合わせることで、サービスプロセスと顧客体験における問題の解決策を探りやすくなります。

サービス設計図のテンプレートと例

作図の準備が完了してあとは図形を追加して始めるだけという段階にも、もう少し例を見てみたい段階にも役立つオプションを多彩にご用意しています。以下のテンプレートを参考に、多彩な業界でのサービス設計図の活用方法や図に含められる情報の例を確認してみましょう。

サービス設計図
サービス設計図(オンラインで変更するには画像をクリック)
金融業界のサービ設計図の例
金融業界向けのサービス設計図の例(オンラインで変更するには画像をクリック)
外食業界のサービス設計図の例
外食業界向けのサービス設計図の例(オンラインで変更するには画像をクリック)
サービス設計図の現在と将来の状態
サービス設計図の現在と将来の状態(オンラインで変更するには画像をクリック)

Lucidchart でサービス設計図を作成する方法

Lucidchart は、管理職、ステークホルダーや従業員がプロセスを視覚化し、顧客に好ましいサービスを提供するのに役立つ作図ソリューションです。Lucidchart のテンプレートライブラリでアイデアを探し、サービス設計図の活用例をチェックしてみましょう。

既製のテンプレートは、分割するラインやさまざまなカテゴリーが含まれる標準のレイアウトがすべて揃った使いやすいサービス設計図メーカーとして使えます。空白を埋め、矢印で接続すれば、図はもう完成です。

カスタマイズしたり、ゼロから図を作成するには、図形ライブラリから図形をドラッグしてキャンバスにドロップし、ボタンをクリックして並べ替えます。色や画像の追加やサービス設計図へのデータのインポートに加え、条件付き書式を追加して最新ステータスを表示したり、特定の情報にフラグを付けたり、指標を追跡することもできます。

Lucidchart の文書はクラウドに保存されるため、関連するステークホルダーとサービス設計図を共有したり、共同編集するのも簡単です。Lucidchart でサービスプロセスの最適化とシンプルなサービス設計を実現しましょう。

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Lucidchart について

Lucidchart は、チームが複雑な内容を理解し、共通の認識を得て、スピーディに未来を作り出すうえで役立つインテリジェントな作図アプリケーションです。直感的なクラウドベースのソリューションで、フローチャート、モックアップ、UML 図などを作成しながら、視覚的に作業を進め、全員でリアルタイムでのコラボレーションが実現できます。

Visio に代わるオンラインソフトウェアとして最も人気が高い Lucidchart は、180か国以上で数百万人のユーザーに活用されています。成約を目指す企業をマッピングする営業部門のマネージャーからネットワークインフラを視覚化する IT 部門のディレクターに至るまで、その用途は多彩です。

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