ローコード開発とは。ローコード開発とローコード開発プラットフォームについて

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トピック :

  • エンジニア

かつては、ソフトウェアの開発サイクルが1年半以上に及ぶことも珍しくありませんでしたが、今日の企業には、より少ないリソースで、より頻繁に新しいアプリやサービスを開発し、リリースすることが求められています。こうしたことから、企業はますます短くなる開発サイクルの中で高品質で革新的なソリューションを提供しなければならないという大きなプレッシャーにさらされています。

この動きに遅れないためには、優秀で経験豊富なプログラマーを安定的に確保する必要がありますが、それにはいくつかの課題があります。

  • 世界的に優秀なソフトウェア開発者が不足している現在、需要に見合うだけのプログラマーをどこで見つければよいのでしょうか。
  • また、もし経験豊富でスキルの高い開発者が見つかったとしても、その給料をどこから捻出すればよいのでしょうか。

ここで注目したいのが、ローコード開発です。ローコードプラットフォームでアプリやサービスを開発する場合には、プログラミング言語の豊富な知識やゼロからコーディングを行えるような高度な経験は必要ありません。

この記事では、ローコード開発とは何かを説明し、ローコード開発プラットフォームとソフトウェア開発へのローコードアプローチの採用でアジリティを高め、より少ないリソースで多くを実現し、高品質な製品をスピーディに開発・提供する方法やローコード開発のデメリットについてご紹介します。

ローコード開発とは?

ローコード開発とは、グラフィック主体のモジュール化されたソフトウェア開発手法を指します。複雑なコード作成の必要がなく、それほど経験のない開発者でも、視覚的なインターフェイスでドラッグ・アンド・ドロップ機能、モデル駆動型の設計やコードの自動生成を使ってアプリやプロセスをすばやく開発することができる方法です。

コーディング経験がほとんどない従業員でも完全に機能するアプリをスピーディに作成できるので、ローコード手法の人気は高まっています。実際に、Gartner では、2024年までにアプリケーション開発の65%がローコード開発プラットフォームで行われるようになると推測しています。

ローコード開発プラットフォームを使うべき理由

ローコード = コーディングが完全に不要、ではありません。ローコード開発プラットフォームを採用しても、目的によってはカスタムコードの追加が必要となることもあります。

ローコードプラットフォームは、機能するウェブやモバイルアプリケーションを視覚的に開発・提供するための一連のツール (テクノロジースタック) で構成されています。数千行のコードを書く必要がなく、すぐにツールを使いこなせるようになるため、既存のスタッフのスキルを活用してより多数のアプリを短い時間で生み出せるようになります。

経験豊かなプログラマーを探して採用する必要もなくなるので、時間と費用の節約にもつながり、開発・提供サイクルの短縮で、顧客の要求や期待に応えやすくなります。

ローコード開発プラットフォームの概要

ローコードソフトウェアにはさまざまなものがあり、それぞれに特色がありますが、一般的なローコード開発プラットフォームには以下のような機能が備わっています。

視覚的な IDE (統合開発環境) : ローコードプラットフォームには視覚的なインターフェイスが不可欠です。こうした環境には、UI やアプリケーションのワークフローを定義するビジュアル要素が含まれており、ドラッグ・アンド・ドロップで事前に設定された要素を簡単に組み合わせて、ニーズに合ったソリューションを構築することができます。

さまざまなモデルや要素に必要に応じて手書きのコードを追加してアプリをカスタマイズすることもでき、こうしたカスタムモデルを保存しておけば、今後アプリを作成する際にも使い回せて便利です。

Lucidchart などのバーチャルキャンバスでテンプレートや図形ライブラリを利用すれば、アプリの作成を始める前にアイデアを手軽に視覚化したり、ワークフローを描いたり、モックアップを作成したりできます。Lucidchart は、チームで一緒にアイデアを出し、新しいアプリケーションで解決したい課題を話し合いながら、コラボレーションとフィードバックのサイクルを進める上で最適なツールです。

バックエンドサービスやプロセスへのコネクター : プラットフォームからウェブサイトやアプリケーションのバックエンドに自動接続し、データの保存や取得を処理できます。

アプリケーションライフサイクル管理ツール : アプリケーションの構築、デプロイやテストの自動化ができます。

従来型のアプリケーション開発とローコード開発の比較

従来のアプリケーション開発では、大規模なチームを編成し、技術やシステムのフレームワーク、アーキテクチャに関する豊富な知識を持つ熟練の開発者を配置するのが一般的でした。

こうしたソフトウェア開発者は何千行ものコードを手作業で書き、各チームメンバーは製品の別々の部分を担当します。異なる部分を組み合わせたときに正常に動作するよう、正しい構文を書くため細部まで注意を払う必要があります。

非常に手間と時間のかかる作業で、プロセスをスピードアップし、効率化するために、開発者は既存のコードを使って目の前の問題の解決に取り組むことが多くなります。

ローコード開発のコンセプトはこの点で似ていて、今、対処すべき問題を解決するためのコードはすでに他の誰かが書いているというものです。こうしたコードが再利用可能な組み込みモジュールに保存されており、今後のプロジェクトの構成要素として使えるため、必要なモジュールを入手しさえすれば、新しいアプリやサービスの構築を始められるのです。

ただ、モジュールを入手すればすぐに制作を始められるとはいっても、従来の開発と同じように、まずは計画を立て、要件を収集し、フィードバックを求めてプロトタイプを作成するといった作業は必要となります。

計画が完成したら、事業面での目標や要件に沿ったモジュールを入手し、新製品の構築を始めることができます。複雑なコーディングに時間をかける必要がなくなるため、アプリケーション開発が短期化し、顧客に製品をスピーディに提供できるようになります。

ローコード開発のデメリット

ローコード開発には、生産性の向上、迅速な開発、アジリティの実現、デプロイの手軽さ、リソースやコストの節約など、多くのメリットがありますが、ローコードが適しているかどうかを判断する際には、その欠点にも注意しましょう。

セキュリティ : ローコードプラットフォームの大半はクラウドで利用できるため、通常はセキュリティやアクセス制御がデフォルトで設定されており、安全なアプリを簡単に作成することができます。ただ、人の手が加わる以上、ミスを完全に避けることはできません。また、コーディングがほぼ不要だからといって完成したアプリの安全性が自動で担保されるわけでもありません。

シャドー IT : ローコードプラットフォームの導入で、開発に携わる人が増えます。IT 部門が知らないうちに開発・展開されるアプリが出てくることもあり、開発者が注意を怠ると、セキュリティ上の問題にもなりかねません。

機能面での制限 : ローコード開発のプラットフォームはベンダーごとに異なり、カスタマイズされたコードを編集・追加できるものもあれば、独自機能の追加オプションが少ないものもあります。

ベンダーロックイン : ローコードプラットフォームの中には特定のクラウドでのみ動作するアプリケーションの構築専用のものもあり、そのベンダーのフレームワークやプログラミング言語に「ロックイン」されてしまう場合があります。さまざまな環境で動作するアプリケーションを制作できる柔軟性の高いプラットフォームを選ぶようにしましょう。

更新/アップグレード : ローコードプラットフォームは、スピーディなアプリケーション開発のために設計されたもので、拡張性や将来的な統合には配慮していません。したがって、基盤となる技術の更新や変更が必要となる可能性のあるアプリケーションの開発には向いていません。

ローコード開発が従来の開発手法に取って代わる日はすぐには来ないでしょう。いずれにせよ、ローコードプラットフォームの構築、更新とメンテナンスの基盤となるコードを書くのは生身の開発者であるはずです。ローコードはアプリケーションのスピーディな展開に最適ですが、カスタマイズや統合を確実に行い、ビジネス面でのその他のニーズを満たすには、専門のプログラマーが必要となります。

自社の技術システムをもれなく明確に把握することで、新しいインフラの理解、計画や構築がしやすくなり、問題のトラブルシューティングも迅速に行えるようになります。

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