
ワークフローとは?そのメリットと導入目的
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Wikipedia では、ワークフローとは「物質の加工、サービスの提供、情報の処理を行うプロセスへとリソースを体系的に組織化することで実現する、計画的かつ反復可能な業務活動のパターン」であるとしています。簡単に言えば、「ワークフローは業務を完了するためのプロセスに関わる手順を定義する」ということになるでしょうか。
ビジネスワークフローとは、一般に特定の順序で完了する必要のある一連のタスクで構成される反復可能なプロセスを指します。ある段階から次の段階へ、完成するまで仕事が流れていく様子を想像すると分かりやすいでしょう。
重要なプロセスを毎回適切な方法で確実に完了するには、ワークフローが役立ちます。例えば、新入社員が業務に必要な情報、ポリシーやリソースを確実に入手できるよう、新入社員の入社時プロセスのワークフローを定義することができます。
この記事では、ワークフローとは何か、その導入目的を説明し、ビジネスに効率的なワークフローが必要な理由をメリット、参考になるワークフローの事例を紹介します (スキップしてワークフローの例まで飛ばしたい方はこちらからどうぞ)。

ワークフローとは?プロセスワークフローの歴史
ワークフローの概念の歴史は、20世紀初頭に産業の効率化を目指したフレデリック・テイラーとヘンリー・ガントの2人の機械技術者にまでさかのぼります。この2人が行った時間と動きの研究では、動きの無駄や重複を排除するために従業員があるタスクや一連のタスクを完了するまでに要する時間を計測しました。ここから、従業員が可能な限り任務を効率的に行うために従うべきプロセスを定義するという概念が生まれました。
また、ヘンリー・ガントは、プロジェクトスケジュールのタスクとマイルストーンを視覚的に追跡するための棒グラフ「ガントチャート」を作成しました。ガントチャートは、フーバーダムや州間高速道路の建設など、大規模なプロジェクトを管理するために何十年も前から使用されてきました。

工業や製造業の発展につれ、労働力も拡大していきました。ガントチャートは、経営者や企業所有者が業務を進める上で最も合理的な方法を見つけ出すのに役立ち、管理者が以下を把握し、追跡するためのツールとして定着しました。
- 完了すべきタスク
- 各タスクの責任者
- 各タスク完了までの所要時間
こうした内容を理解することで、プロセスが合理化しやすくなり、適切な人材を適切なタスクに割り当て、タスクの完了に十分なリソースが確保できるようになりました。
ワークフローの導入目的やメリット
仕事を進めるのに何が必要かはもう十分に分かっている、また厳格なプロセスに縛られたくないという思いは誰にでもあります。一般的に、人は変化に抵抗するもので、これまで慣れ親しんできた方法なのだから、今のやり方がベストだという考えに縛られて しまいがちです。
ですが、頻繁に繰り返す一般的な手順を見直し、ワークフローを導入すれば、下記のような目的達成や効果、メリットが期待できます。
業務を改善する
タスクの完了に必要となる具体的な手順や順序を定義しておけば、適切な人が、正しい順序で指定された時間内に仕事を完了させることができ、業務の改善につながります。
ワークフローは、1人を対象として作成することも、プロジェクトの完了のためにそれぞれの役割と担当を持ち、協力し合うグループを対象に作成することもできます。例えば、ソフトウェアのインストールガイドのコンテンツ承認のプロセスは、以下のような簡単なワークフローとして表すことができます。
- テクニカルライターが専門家から集めた情報をもとにインストール方法を文書化する。
- 文書が専門家に送られ、レビューされる。
- ライターがレビューに基づき変更を加える。
- 文書が最終レビューに回される。
- 文書が承認または却下される。
- (却下の場合) ライターが原稿を修正して再提出する。
- (承認の場合) 文書が公開される。
手順を書き出すだけではワークフローは完成しませんが、最初のきっかけとしては十分です。こうしたワークフローを下の例のようにビジュアルの形で図式化することで、他の人にもプロセスが分かりやすくなり、業務の効率化にも役立ちます。ワークフローの作成方法は後ほど説明します。