工業や製造業の発展につれ、労働力も拡大していきました。ガントチャートは、経営者や企業所有者が業務を進める上で最も合理的な方法を見つけ出すのに役立ち、管理者が以下を把握し、追跡するためのツールとして定着しました。
- 完了すべきタスク
- 各タスクの責任者
- 各タスク完了までの所要時間
こうした内容を理解することで、プロセスが合理化しやすくなり、適切な人材を適切なタスクに割り当て、タスクの完了に十分なリソースが確保できるようになりました。
ワークフローの導入目的やメリット
仕事を進めるのに何が必要かはもう十分に分かっている、また厳格なプロセスに縛られたくないという思いは誰にでもあります。一般的に、人は変化に抵抗するもので、これまで慣れ親しんできた方法なのだから、今のやり方がベストだという考えに縛られてしまいがちです。
ですが、頻繁に繰り返す一般的な手順を見直し、ワークフローを導入すれば、下記のような目的達成や効果、メリットが期待できます。
業務を改善する
タスクの完了に必要となる具体的な手順や順序を定義しておけば、適切な人が、正しい順序で指定された時間内に仕事を完了させることができ、業務の改善につながります。
ワークフローは、1人を対象として作成することも、プロジェクトの完了のためにそれぞれの役割と担当を持ち、協力し合うグループを対象に作成することもできます。例えば、ソフトウェアのインストールガイドのコンテンツ承認のプロセスは、以下のような簡単なワークフローとして表すことができます。
- テクニカルライターが専門家から集めた情報をもとにインストール方法を文書化する。
- 文書が専門家に送られ、レビューされる。
- ライターがレビューに基づき変更を加える。
- 文書が最終レビューに回される。
- 文書が承認または却下される。
- (却下の場合) ライターが原稿を修正して再提出する。
- (承認の場合) 文書が公開される。
手順を書き出すだけではワークフローは完成しませんが、最初のきっかけとしては十分です。こうしたワークフローを下の例のようにビジュアルの形で図式化することで、他の人にもプロセスが分かりやすくなり、業務の効率化にも役立ちます。ワークフローの作成方法は後ほど説明します。
無駄なプロセスや活動を排除
スタートアップ企業は規模が小さく、大企業に比べて確立されたプロセスや活動も少ないものです。ワークフロー図を使い、会社の成長に合わせて図を更新していくことで、単に目視でワークフローを追跡するよりも、無駄を発見して排除しやすくなります。
ワークフロー管理を日常業務に組み込むことで、業務の最初から最後までを俯瞰して見渡せるようになり、ワークフローを改善し、不要なステップ、役割や活動を排除するための変更を取り入れることも手軽になります。
運用経費を削減
ワークフロー図は、ベストプラクティスを定義し、業務を効率化するのに役立ちます。プロセスが合理化され、業務が迅速に行われるようになると、より少ないリソースで業務を遂行できるようになる可能性もあり、同じ目標の達成に必要なリソースが少なくなるため、コストの低減と収益の増加につながります。
課題や問題に迅速に対応
その昔、例えば1980年代には、ワークフロー図やフローチャートは紙ベースで作成されており、プロセスの変更に合わせて図を更新するのは大変な作業でした。こうした理由もあり、決まった手順に縛られ、柔軟性に乏しく、変化する市場と進化する顧客ニーズに早急に応えられなかった企業も多数ありました。
経済がグローバル化し、企業が国境を越えて事業を展開するようになるにつれ、その市場において適切な存在であり続けることができるよう、ビジネスプロセスやワークフローを理解することがより重要になりました。しかし、ワークフロー図の作成作業は非常に面倒で、いまだに紙媒体で行われているため、公開・導入後、ワークフローがすぐに古くなってしまうという問題がありました。
1990年代になって業務フロー管理ソフトウェアが誕生し、紙ベースの業務フロー図がコンピューターに保存して数クリックで更新できるデジタルベースのフローチャートに置き換えられました。2005年頃には、ソフトウェアベースのワークフロー管理システムにBPMN (ビジネスプロセスモデリング表記法) ツールが追加されてより強固なものになりました。
ワークフローとビジネスモデリングの作業をソフトウェアベースのシステムへ移行することで、管理者はマウスを数回クリックするだけで図を変更できるようになり、変化への対応がスムーズになりました。