リスク管理プロセス

リスクマネジメントプロセスを効果的に行う5つの手順

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新しいプロジェクトには、新たなリスクが必ず待ち受けています。組織がリスクを完全に回避することはできませんが、リスクマネジメントプロセスを確立することでリスクを予測し、軽減することはできます。これらのリスク管理のステップに従うことで、チームを効率的に成功へと導き、リスクの発生時に機動的に適切な対応ができるようになります。

リスクマネジメントプロセスとは?

リスクマネジメントプロセスとは、簡単に言えばリスクを特定し、処理し、管理するという継続的なプロセスを指します。時間をかけてリスクマネジメントプロセスを設定し、実施するのは、火災報知器を設置するのに似ています。鳴らないに越したことはありませんが、将来の問題発生を防ぐため、前もって対応のための仕組みを用意しておくようなものです。

プロジェクトで発生する可能性のあるリスクを特定し、追跡することには、以下のような大きなメリットがあります。

  • これまで見えなかったコストを可視化してより効率的なリソース計画を実現
  • プロジェクトのコストをより正確に把握して投資収益率の見積もりの精度を向上
  • 法的要件に対する意識を向上
  • 怪我や病気を予防
  • 変化や課題が生じても慌てずに柔軟に対応

リスク管理の手順

リスクマネジメントプロセスを改善するには、以下のリスク管理の手順に従うようにしましょう。

1. リスクを特定

プロジェクトについて想定しうる失敗を考えるのは組織にとって嫌なもので、暗澹とした気分にもなりがちですが、実際はその逆で、リスクの特定は、チーム全体が参加し、学びを得られるポジティブな体験です。

チーム全体の集合知と経験を活用し、過去に経験したリスクやその他の考えなど、全員に意見を求めます。こうしたプロセスを経ることで、コミュニケーションと各自の役割を超えた学びを育むことができます。

リスク分解構造の例
リスク分解構造の例(オンラインで変更するには画像をクリック)

リスク分解構造を使ってプロジェクトに関して想定しうるリスクをリストアップし、詳細レベルに沿って最も高次的なものからそうでないものへと並べ替えます。チームがプロジェクトのタスクを作成する際に、リスクが発生する可能性のある箇所を予測する上でこうしたビジュアルが役立ちます。

想定される課題をまとめたら、プロジェクトを通じてリスクを明確かつ簡潔に追跡し、監視できるよう、プロジェクトのリスクログを作成します。

定性的リスク登録簿の例
定性的リスク登録簿の例(オンラインで変更するには画像をクリック)

プロジェクトのリスクログはプロジェクトリスク登録簿とも呼ばれ、効果的なリスクマネジメントプロセスには欠かせないものです。各プロジェクトの潜在的なリスクを継続的に記録するデータベースとして、現在のリスク管理だけでなく、過去のプロジェクトを参照する上でも役立ちます。適切なデータポイントを使ってリスク登録簿を作っておくことで、あらゆるプロジェクトに起こりうる脅威を迅速かつ正確に特定し、評価することができます。

2. リスクを分析

チームで考えうる課題を特定したら、もう少し深堀りしていきます。リスクが発生する確率や発生した場合の影響を検討していきます。

このステップでは、各リスクの発生確率と影響を推定し、まずどこに焦点を当てるべきかをチームで決めます。リスクをそれぞれ正確に分析するには、組織に対する財務的な損失、失われた時間、影響の深刻度といった要因が関係してきます。それぞれのリスクを精査することで、プロジェクトに共通する問題を発見し、将来のプロジェクトに向けてリスクマネジメントプロセスをブラッシュアップすることもできます。

3. リスクを優先順位付け

次に優先順位付けに移ります。発生確率とプロジェクトへの潜在的な影響を考慮し、リスクを一つ一つランク付けしていきます。

このステップを経ることで、対応中のプロジェクトの全体像を把握し、チームが注力すべき箇所が明確になり、各リスクに対して実現可能な解決策を特定する上でも役立ちます。こうすることで、対応段階でプロジェクトの大幅な中断や遅延を招くことがなくなります。

4. リスクに対応

最悪のリスクが特定されたら、対応計画を立てます。すべてのリスクを予測することはできませんが、リスクマネジメントプロセスのこれまでのステップで成功の確率も高まっているはずです。最も優先順位の高いリスクから始め、リスクを解決したり、プロジェクトの脅威とならないレベルまで低減する方法を見出していきます。

リスクに効果的に対応し、リスクを低減することで、プロジェクトの中断なしにチームのリソースを効率的に使えるようにもなります。時間の経過と共に過去のプロジェクトとリスクログのデータベースが充実してくると、起こりうるリスクを予測し、受け身ではなく事前対応的なアプローチが取れるようになり、対応の効果も高まります。

5. リスクを監視

潜在的な脅威を継続的にモニタリングしていく上では、チームとステークホルダーの間の明確なコミュニケーションが欠かせません。プロジェクトの状況は目まぐるしく変わりますが、リスクマネジメントプロセスと対応するプロジェクトリスク登録簿を用意しておくことで、監視対象から目を離さず、確実に追跡することができるようになります。

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