効果的なプロセス

プロセスが機能しているかどうかを確認する方法

読み取り時間 : 約8分

トピック :

    大半のプロセスには、改善と効率化の余地があります。

    その例を挙げれば、McKinsey の調査「The State of Organizations 2023」によれば、回答者の28%が、組織が複雑化する根本原因が「不明確なプロセス」にあり、32%は「繰り返しの作業」にあると考えています。後者も非効率なプロセスに関連しているように思えます。

    この記事では、自社のプロセスがどの程度うまく機能しているかを判断する際に注目すべきポイントを説明し、効果的なプロセスを設計するのに役立つ手順を紹介します。

    プロセス改善とは?

    まず最初に、プロセス改善とは何かを確認しておきましょう。プロセス改善とは、新規のプロセスや既存のプロセスを定義、レビュー、分析、改善する方法や実践を指し、その目的は、効率、有効性と価値を向上させる機会を特定することにあります。

    プロセス改善戦略が奏功すれば、障壁の排除、ミスの削減、コンプライアンスの確保、従業員と顧客の満足度の向上、利益の最大化などにつながります。

    プロセス改善手法の種類

    プロセスの改善手法には、以下のようなさまざまな方法やアプローチがあります。

    • DMAIC
    • シックスシグマ
    • リーン製造

    自社のユースケースにとってどんな方法が最適かは、所属する業界、評価対象のプロセスの種類や目標によって決まります。以下では、プロセス改善で従うべき基本的なプロセスの概要となるステップを紹介します。チームに最適なものを見つけたら、より正式なフレームワークを組み立てる中でこれらのステップを取り入れることができます。

    プロセス改善のプロセス

    以下の手順を使い、プロセスが機能しているかどうかを判断し、より効果的なプロセスを開発します。

    ステップ1 : 現在のプロセスをマッピング

    まず、分析するプロセスを選択します。必ずしも複雑なプロセスである必要はなく、実際には、大きなプロセスの1つのステップが対象となる可能性もあります。小さなプロセスから始めると、より大きなプロセスや複数のステップから構成されるプロセスの改善に向けた練習にもなります。

    もっと早く完了できると思われるタスクや、ミスが発生しやすい部分など、現在のワークフローで理想的とはいえない点を選択します。

    分析対象となるプロセスを選択したら、そのプロセスがどう機能しているかを完全に理解する必要があります。これを行うには、プロセスマップを作成するのが有効です。プロセスマップは、プロセスが行う内容を視覚的に表現したもので、プロセスの詳細な概要を示し、誰が何をどのように行うのか、いつ完了するのかなど、全員がフローを理解するのに役立ちます。

    手軽にプロセスをマッピングにするには、Lucidchart のテンプレートを使い、BPMN 図、フローチャート、バリューストリームマップなど、分析対象のプロセスの理解に役立つ図を描いてみましょう。作成した図は、チームのメンバーが時間や場所に関係なくアクセスでき、リアルタイムで共同編集ができます。

    効果的なプロセス
    このビジネスプロセスマップの例を使って現在のプロセスのマッピングを始めましょう (クリックして使用)。

    プロセスを可視化すると分かりやすくなり、関係者全員がさまざまな視点からプロセスを客観的に見られるようになります。こうすることで、全員がワークフローを検討し、重要で維持すべき箇所、うまく機能している箇所、修正が必要な箇所を確認できるようになります。

    ステップ2 : 関係者からフィードバックを獲得

    フィードバックを集めることで、プロセスがどの程度うまく機能しているかを判断しやすくなります。また、チームメンバーにとって、プロセス内で割り当てられたタスクをどの程度うまく実行できているかを判断するよい機会にもなります。

    毎日プロセスに取り組み、プロセスを最もよく理解している従業員からフィードバックを得ることが重要です。このステップにこうした従業員を巻き込まないと、変更を実装しようとしたときに反発や不満が生じる可能性があります。現場の従業員の意見を尊重している姿勢を示せば、改善の貫徹もスムーズになります。

    フィードバックを集めるには、関連するチームメンバーに次のような質問をします。

    • プロセスはチーム全体で一貫していますか?
    • プロセスは明確ですか?
    • 忙しい業務は自動化されていますか?
    • タスクの完了にどのくらい時間がかかりますか?
    • 繰り返し発生するボトルネックはありますか?
    • プロセスの目標はどんなもので、それは達成されていますか?
    プロセスが機能しているかを確認するフローチャート

    フィードバックの収集や現在のプロセスの評価には、開始、停止、続行のテンプレートを使いましょう。うまく機能しているステップやタスクとそうでないものを判断するのに役立ちます。

    効果的なプロセス
    開始、停止、続行の例 (クリックしてテンプレートを使用)。

    ステップ3 : 各ステップにかかる時間を特定

    プロセス改善のそもそもの目的は効率の向上にあるため、現在のプロセスにタスク、サブタスク、ステップがいくつあるかをまず理解し、各ステップのタスクを完了するのにどれくらい時間がかかるかを見極める必要があります。

    この情報がベースラインとなり、冗長性を見つけて排除し、不必要な手順やタスクを削除し、必要な手順を合理化するための役立つ目標を設定できます。また、新しいプロセスを開発するときに行ったことが実際に改善されたかどうかを判断するのにも役立ちます。

    ステップ4:プロセス改善の成功度を測る方法を決定

    繰り返しになりますが、時間の短縮や手順の省略を目指す場合は、プロセス完了までにかかる時間を現在のベースラインと比較して測定するとよいでしょう。製品の製造数量や支援する顧客の数を増やすことを目指す場合は、現在のプロセスの成果との比較で成功度を評価することができます。

    その他には、以下のような観点から成功度を測ることができます。

    • プロセスが顧客の要求をどれだけ効果的に満たしているか
    • プロセスの機能と需要と供給を満たす能力においての信頼度はどの程度か
    • プロセスにより製品やサービスのコストが増減するか
    • プロセスは業界標準とコンプライアンスを遵守しているか
    • 消費された資産との比較でプロセスがどの程度効率的にリソースを使用しているか

    ステップ5 : 改善を盛り込み新しいプロセスを設計

    プロセスマップと関係者全員からのフィードバックを土台にすれば、機能している箇所とそうでない箇所をかなり詳細に把握できるはずです。Lucid を使用して現状のプロセスをマッピングすれば、チーム全体で変更を提案しあい、エディター内のコメント機能を使用して即座にフィードバックを集めることができます。

    ここで行う改善には、担当者を別のタスクへ再割り当て、新しいソフトウェアの追加、新しい機器の購入、従業員の新規採用などが含まれます。

    ステップ6 : 新しいプロセスをテスト

    プロセスは、実装する前にテストを行い、機能することを必ず確かめます。プロセスを実践する前に、プロセスのシミュレーションを作成し、上手く行く箇所とそうでない箇所を把握しておきましょう。

    テストを行うことで貴重なフィードバックが得られ、実装の前に問題を修正し、プロセス改善により現状の生産性に悪影響が及ばないようにすることができます。テストが期待どおりに進まない場合や現在のプロセスの改善が見られない場合は、修正し、より効果的なプロセスに仕上げる必要があります。

    ステップ7 : 変更を通知して新しいプロセスを実装

    実環境でのテストに成功し、プロセスが期待どおりに実行されたら、いよいよ変更を実装します。実装で鍵となるのがコミュニケーションです。変更を実施する予定であること、その変更を実装するための計画が存在することをチームメンバーに必ず知らせておきます。不意を突かれるようなことがないようにしましょう。メンバーが計画を理解し、変更がいつ行われるかを把握していれば、あらゆる過程がよりスムーズに進みます。

    加えて、全員が標準の手順に従っていることを確認するため、すべてを文書化しておきます。こうすることで、製品とサービスの一貫性と品質を保証できます。また、プロセスを徹底的に文書化しておくことで、新入社員のトレーニングや、チームメンバーが別のタスクに担当替えとなる際に自分の役割を理解するのにも役立ちます。

    ステップ8 : プロセスを監視し、必要に応じて修正

    プロセスを改善したら、果たしてそれですべて完了でしょうか。

    現実にはそう簡単にはいきません。プロセスの改善は継続的なプロセスであり、プロセスが効果的であることを確認するには、プロセスを注意深く監視して管理する必要があります。合理化や改善の余地がある箇所が見つかったら、プロセス改善のプロセスを再び繰り返さねばなりません。ただ、この過程はそれほど面倒ではなく、ほとんどの作業がすでに完了しているため、2回目以降は簡単になります。変更すべき箇所を判断するときにフローチャートとマップを修正すれば十分でしょう。

    効果的なプロセス

    プロセスマッピングをゼロから始めたくない場合には、すぐに使用できるサンプルを使いましょう。テンプレート一覧を参照してください。

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