
需要と供給グラフの見方と概要
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1998年、米国で初のハイビジョンテレビが消費者向けに売り出されました。その高画質もさることながら、平均5,000〜15,000ドルという価格も驚くべきものでした。
その後21年を経て、平均的なハイビジョンテレビの価格は500ドル以下まで下落しました。どうしてこうなったのでしょう。
ごく単純に答えれば、需要と供給によるものです。
21年前にハイビジョンテレビを量産しているメーカーはありませんでした。最初に発売されたテレビは、メーカーが製造に必要とする部品が予想以上に高価だったため、価格も高くなりました。製造コストと売値を決めるのが難しかったのです。
Panasonic は、西海岸のいくつかの店舗に限定して大量生産のテレビを発売しました。そのうちの1店、サンディエゴの Dow Stereo/Video には、最初の週末に15,000人が来店したとされています。同店の30セットの在庫はすぐに完売しました。
来店した15,000人の大半は、ハイビジョンテレビを見てみたかっただけで、購入するつもりはありませんでした。ただ、最初の5,500ドルのハイビジョンテレビ30台がデジタル信号受信に必要な1,700ドルのセットトップボックスも合わせて即座に売り切れたところを見れば、一定の需要はあったのでしょう。
ビジネスにおいて製品の適切な価格帯や需要を満たすために必要な数量を決定する際には、需要供給グラフが役立ちます。この記事では、この経済原理の仕組みと需要と供給グラフの見方を説明します。
需要と供給を読み解く
需要と供給とは、簡単に言えば、商品の数がたくさんあれば価格は安くなり、供給が少なくなると価格が上昇し、需要が減少することを指します。
したがって、需要と供給の法則とは、ある製品やサービスに対する需要、その製品やサービスの供給、そして消費者が支払える価格との三者間の関係であると言えます。
需要曲線とは?
需要曲線を理解するには、まず需要の法則を理解する必要があります。
消費者が市場をどう動かすかを説明するのが需要です。消費者は、自分の収入と同等の製品がより低価格で見つかるか否かに基づいて購入決定を行います。価格が低ければより多くの製品を購入します。価格が上昇すると、購入する製品を減らしたり、代替品としてより安価な類似商品を購入することが想定されます。
1998年当時、ハイビジョンテレビの供給は非常に限られていました。また、購入者はホームエンタテイメントシステムに数千ドルを支払えるアーリーアダプターが中心で、需要も限られていました。ただ、限定的に供給されたテレビがすぐに売り切れてしまったため、より多くのメーカーが市場シェア獲得を目指し、自前でのハイビジョンテレビ製造に参入しました。結果として、製品の価格が低下し、消費者の需要も高まったのです。
これを踏まえて説明すると、需要曲線とは、需要の法則を視覚的に表したものです。以下のグラフ例は、1998年に発売された最初のハイビジョンテレビの供給、需要と価格の関係をごく単純に表しています。