きわめて複雑な選択肢を整理し、可能な限り最良のオプションを見つけるためには、決定木の作成が有用です。以下では、その方法を説明しています。
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Lucidchartで決定木やビジネスで必要な分析を開始しましょう
決定木を作成する理由
意思決定を迫られる機会は多いものです。企業が誤った意思決定を行うと、財務上の損失、リソースの不適切な使用、企業イメージの悪化など、手痛い失敗を招く可能性があります。ここで役立つのが決定木です。将来を占うことはできませんが、正しい方向へ進むための価値ある洞察が得られる図です。決定木の最大のメリットのひとつは、感情を交えることなく状況を俯瞰できることにあります。
決定木図は、戦略立案、調査内容の分析や結論の導出を目的としてビジネスの現場でよく使われます。融資者や銀行は、融資や投資機会のリスク算定のために決定木を使用しています。インフォグラフィックにもしばしば使われ、雑誌に掲載されたり、ソーシャルメディアで共有される例も数多くあります。あらゆる問いや懸念事項の検討と想定しうる結果の視覚化に応用できる図が決定木です。
Lucidchart を使えば、素早く、簡単に図を作成することができます。今すぐ無料のトライアルを開始して、作図と共同編集を始めましょう。
決定木分析を開始決定木の構成要素
決定木図のメリットのひとつに、構成要素が少ないことが挙げられます。主な要素はノードと呼ばれ、正方形や丸で示されます。これを分岐 (線) でつなぎ、結果を導出します。正方形は決定を表し、丸は結果が不確かなことを表します。
ノードからは、少なくとも2本の分岐が伸びています。これらの線のそれぞれに考えうる解決策を加え、次のノードへつなげます。可能性がこれ以上なくなるという点までこの作業を続け、結果を表す三角形を付け加えます。
決定木の基本的なレイアウトが完成したら、線のそれぞれに値を追加し、さらに深く分析を進めます。この方法は以下のとおりです。
1. それぞれの線に金額を追加します。
2. 選択肢を数値的に分析するため、各結果に予測される確率を追加します。注意: 1つのノードからの線にパーセンテージを追加する場合、合計は100%となるようにします。分数を用いる場合には、合計が1となるようにします。
3. 分岐の終端の三角形のそれぞれに想定される金額を割り当てます。
4. 各分岐の終端の結果に確率 (%) を乗算し、得られた数値から対象のパスのアクションにかかるコストを差し引いて計算します。これにより、特定の結果から得られる推定額が算出できます。
以下に例を示します。
注意: 多数の分岐がある大きな木の場合には、各正方形や丸の数を数え、その決定の値を算出するために記録しておきます。木の右側から始め、左へと進めます。
Lucidchart で決定木を作成する方法
Lucidchart を使って製品発売に向けた決定木を作成し、市場での事前テストに投資する価値があるかどうかを判断してみましょう。決定木で使用する記号は数種類のみ (丸、正方形、線と三角形) なので、ゼロから作図を開始します。アカウントへログイン (アカウントをお持ちでない場合は、1週間無料の Lucidchart トライアルに登録しましょう) し、以下の手順に従います。
1. 空白の文書を開く
[文書] セクションでオレンジ色の [+文書] ボタンをクリックし、ダブルクリックします。

ヒント: オレンジ色の下向き矢印をクリックして空白の図テンプレートを選択することもできます。そのオプションを選択した場合には、ステップ3に進んでください。
2. ページ設定を調整 する
テンプレートではなく空白の文書を開くと、ページ設定、余白、ガイド、グリッド、ラインやルーラーなどを変更することができます。こうした変更は右側の [ページ設定] メニューから行います。希望するオプションをクリックし、変更が完了したら、[ページ設定] の横の矢印をクリックしてメニューを非表示にします。決定木は大きな図となりやすいため、ページ設定は横向きとしています。

3. 決定木図に名前を付ける
画面上部の [空白の図] ヘッダーをクリックし、ファイル名を入力します。

注意: テンプレートを選択すると、ポップアップ画面が表示されます。テキストボックスに図の名前を入力し、[OK] をクリックします。画面左上に新しい名前が表示されます。
4. 決定木の描画を始める
[図形] の下の長方形を長押しし、文書の左端へドラッグします。決定木は左から右方向へ作成されるため、できるだけ余白に近い位置に配置してください。グリッドとルーラーを使用して、長方形を希望の位置に配置します。長方形の中に決定内容を入力します。

ヒント: 図の上部のテキスト書式設定オプションを使用してフォント、色や間隔などを変更することができます。
5. ノードを追加する
丸をクリックして図へドラッグし、確率ノードを追加します。グリッドを使用してページ上の丸を調整します。丸のサイズを調整するには、丸をクリックし、青い正方形をクリックおよびドラッグして調整します。丸の中に不確実な結果の名前を入力します。
希望に応じていくつでも可能性を追加することができますが、決定木の開始には最低2つの選択肢が必要となります。各選択肢の最終的な結果に到達するまで、決定木へのノードの追加を続けます。

ヒント: 各ノード (丸) のサイズ を変更したくない場合には、既存のノードをクリックしてキーボードの Command+C キーを長押しします。次に、Command+V キーを長押しして表示される丸をコピーし、希望する場所にドラッグします。
6. 決定木に分岐を追加する
ノード間に線を描画するには、図形をダブルクリックし、オレンジ色の丸のどれかをクリックして長押しし、接続するノードへ線をドラッグします。2つのオブジェクト間に矢印が自動で描画されます。

ヒント: 線から矢印を削除するには、上部のメニューバーの線の終点のオプションで [先端なし] を選択します。

もうパス内での決定を必要としない分岐の終点に到達したら、線の終点に三角形を加えます。

7. 決定木に確率と値を追加する
決定木の検討に移り、特定の結果の発生により得られる対価を推定します。丸の内容を確認し、各結果に予測される確率を追加します。図に数値を追加するには、[標準] オプションの大きな T をクリックし、推定値を追加する場所にドラッグします。

注意: 各ノードの確率の合計は100%となるようにします。分数を用いる場合には、合計が1となるようにします。既存のデータがある場合にはそれを使いましょう。
次に、各選択肢のコストを分岐 (決定線) に沿って追加します。

8. 各決定の値を計算する
木の右側から始め、左へと進めます。各決定について、期待される利益からコストを差し引きます。

計算が完了すると、最も見返りの大きい選択肢が明確となります。
9. 決定木に色を追加する
決定木の基本的なデザインが完成したら、色を追加します。記号をクリックした後、メニューバーの塗りつぶしの色アイコンをクリックし、色を選択します。

10. 決定木図を共有する
希望通りの決定木が完成したら、メール、リンク、ソーシャルメディア (Facebook、Twitter、Google+ や LinkedIn) 経由、またはウェブサイトへの埋め込みで共有します。画面右上の青色の [共有] ボタンをクリックするとポップアップが表示されます。図を共有したい方法を選択し、適宜情報を入力します。

決定木へのリンクをメールで送信して共同編集者を追加すれば、図を同時に編集し、チャット機能を利用して内容について議論することができます。