習い事や学習、会議や仕事にも必要な解決案を生み出す際に役立つマインドマップとは、一種の発想方法です。マインドマップはアイデア出しだけではなく、発想力はもちろん、脳にも良い記憶力さえも高めてくれる効果がある思考法です。

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複雑な会議の内容、アイデア、知識、学習や情報をマインドマップで見える化させましょう!
マインドマップとは?
マインドマップとは、自由な思考、アイデアや情報の流れを、中心となる概念から分岐させる形で描写した図です。こうした見える化したプロセスにより、アイデアのブレスト(ブレインストーミング)、効果的なメモの作成、記憶力の向上、インパクトのあるプレゼン資料を作り上げることが可能になります。マインドマップは単純なものから詳細なものまで幅広く、手法としては用紙を使い、手描きまたはマインドマップ作成ソフトを利用してマインドマップを作成することができます。マインドマップの用途と作成にかけられる時間に応じて、写真、図面、太さの異なる色とりどりの曲線(ブランチ)など、オシャレに要素を巧みに追加することができます。
このマインドマップテンプレートをクリックして使う
リアルタイムでのメモ取りやブレインストーミングのような用途の場合には、中心となる概念から放射状に、わ ずかな単語でアイデアをすばやくシンプルに記述する形となるでしょう。マインドマップ図形のサイズ変更や再配置を自動で行う Lucidchart では、面倒なプロセスを無くし、楽にマインドマップを作成することができます。更に、イラストやアイコンを足せばインパクトの強いマップを作成することが可能になり、芸術作品と呼ぶべきマインドマップが作成できます。マインドマップは、時にアイデアマップ、スプレー図、ラジアルツリーと呼ばれることもあります。
**他のマインドマップのテンプレートはこちらを参考に**
マインドマップの 書き方と法則
- 中心となるメインテーマを定義します。長さは単語で1つから3つ程度とし、ページの中央に配置します。紙に手書きする場合でも、Lucidchart などのソフトウェアを使う場合でも同様です。
- その周囲にラベル、ボックスやその他の図形として、アイデアを配置します。アイデアは中心となる概念から放射状に線で広がるようにします。短いラベル (単語1つでもかまいません) を使い、それぞれのアイデアレベルを分岐させていきます。
- スペースを有効に活用し、ブランチを伸ばしやすくなるよう、ページは横向きで使います。
- 時間的に余裕があり、目的に適うようであれば、画像を使いましょう。写真やイラストを使ったマップはより記憶に残りやすくなります。
- それぞれのアイデアレベルに異なる色を使い、組織的なビジュアルを作り上げます。手描きの場合には、カラーペンや多色ペンを使います。ラベルのサイズや線の太さで階層を作ることも可能です。
- ニーズに合わせて、直線や曲線を描画し ます。ブザンを始め、曲線の方が面白いとする意見もあります。
- 自身の考え方や描き方に合わせ、自分だけのスタイルを発展させましょう。マインドマッピングにはルールはほとんどありません。
- 手描きであれ、コンピューターでの作図であれ、時間の制約がある場合には、シンプルな図から作成を始めましょう。追加は後からでもできます。Lucidchart のようなアプリケーションを使えば、ボックスや色を自動調整しながらショートカットを活用して、マップを簡単に作成することができます。その後で、写真や曲線といった芸術的な要素を追加することも可能です。
- マインドマップをオンラインで共有・編集し、共同で作業を行います。
Lucidchart を使えば、素早く、簡単に図を作成することができます。今すぐ無料のトライアルを開始して、作図と共同編集を始めましょう。
無料でマインドマップを作成マインドマップはこんな場面で効果がある
- 教育、ビジネス、コンピューターサイエンスを始め、非常に広い分野 で応用: マインドマップは非常に多用途で、作成も容易なため、教育、ビジネス、コンピューターサイエンスやその他の分野で広く使われています。
- ブレインストーミング: マインドマップは、ビジネス会議のアイデアブレインストーミングにも効果的です。思考に集中することで、他の考えが浮かび上がり、そうしたアイデアの間の関連性をKJ法などで図式化することができます。個人でもビジネスでも使え、テーマから外れることもなく会議をスムーズにします。
- ノートの作成: 学生でも、ビジネスマンでも、マインドマップを描くことで、授業、プレゼンテーション、会議やブレインストーミングセッションからのアイデアを捉え、整理することができます。Lucidchart のようなプログラムを使用してマップ外にノートを追加し、詳細を加えることもできます。[ノート] アイコンをクリックすればいつでも閲覧が可能です。
- 学習や研究にも役立つマインドマップ: マインドマップで記憶保持能力が高まることが複数の研究で証されています。学習の初期段階でマインドマップを使用していない場合でも、ノートからマップを作成し、よりよい理解と資料の解釈に役立てることができます。
- 意思決定:マインドマップは、優れた意思決定に到達するための要因を考える上で有用です。
- プレゼンテーション: マインドマップを使えば、インパクトあるビジュアルでアイデアを提示することが可能です。PowerPoint、Word、Excel などのへの配置も簡単です。
- 自己啓発と分析: マインドマップでアイデアを整理することで、個人的なゴールやキャリア上の目標を考え、問題を解決し、未来を思い描くことができます。
- 創造的なプロジェクト: あらゆる創作において、ストーリーラインを書き出し、創作上のスランプを打破し、新たなアイデアを発見するための手助けとなります。
- 企画: イベント、会議やプロジェクトをマインドマッピングで計画することができます。
- 他の図の作成の事前準備: マインドマップは、プロジェクトの初期段階で内容を整理し、集中を高めるためにも活用できます。その後、プロジェクトの目的と性質に応じて、他の種類の図でデータをより効果的に示すことができます。
- 芸術: 最近の例に見られるように、美術として美しいおしゃれなマインドマップを作成する人もいます。
図説でわかるマインドマップ作成ステップ
ステップ1. 主となる概念から始める
まず、マインドマップ作成時に重要な点が、主な目的を決め、マップのデザインを進めて行く事です。マインドマップは中央から外側に向かって作成していくため、中心となる概念がマイ ンドマップの主要なテーマとなります。主な概念としては、以下のようなものが挙げられます。
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解決したい問題
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ブレインストーミングするプロジェクト
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習得したい難しいコンセプトや情報
例えば、ベンジャミン・フランクリンについてのエッセイを書くのが目的だとします。この場合には、エッセイの題目であるベンジャミン・フランクリンが主な概念となります。

ステップ2. 主となる概念にブランチを追加する
マインドマップ作成の主な目的が決まったところで、最も基本的なサブテーマを表すブランチを追加していきます。ブランチを加えることで、情報の整理がしやすくなります。あまり細部にはこだわらず、キーワードや短い記述で十分です。
ベンジャミン・フランクリンに関するエッセイの例では、描き出すべき主要なサブテーマは、彼の人生を説明する主なブランチとなります。これらの最初のブランチに別のブランチを追加していくことで、さらに詳細を加えていきます。

ステップ3. さらにブランチを追加してテーマを探求する
テーマの主題を決めたら、意義ある情報が出尽くすまで図形を追加していきます。重要度の高い内容ほど主となる概念に近く、具体的な詳細は遠くに配置することで、情報を整理していくことを心がけましょう。
ステップ4. 画像や色を追加する
図の中のさまざまな概念のレベルに標準の色を使い、マインドマップ全体が整理された状態を保ちます。Lucidchart では、ここで使用する色も自由に調整できます。加えて、画像を使用することで、マインドマップのさまざまな部分を視覚化でき、また記憶もしやすくなります。従来型のボックス図形に代えて、図形の接続に画像を使用することもできます。
ベンジャミン・フランクリンを使ったこの例では、エッセイ執筆の準備が完了するまで、ブランチの追加を続けました。エッセイの執筆ではなく、試験勉強が目的だとしたら、アイコンを使用すると記憶力が増幅されやすくなるでしょう。

マインドマップを生んだ研究
その視覚的 なインパクトを要因に、マインドマップが概念や関係の保持を促進することがいくつかの研究で示されてきました。トニー・ブザンは、使用する単語を少なくし、画像、曲線、巧みな色使いを、興味を惹くような方法で多用することで、こうした記憶の保持効果がさらに強まるとしています。こうした研究例の一部をいくつかご紹介します。
- 2005年にグレニス・エッジ・カニンガムが行ったユーザー研究では、研究に参加した生物学を学ぶ高校生の80%が、マインドマップの使用により学習効果の改善が見られたとしています。
- 2002年のポール・ファーランド、フィアザーナ・フセイン、イーニッド・ヘネシーによる医学生2回生と3回生を対象とした研究では、効果は学生の好むノート方法に左右されたものの、教材の内容の記憶維持の面で改善が見られたとしています。
- A・V・ダントーニと G・P・ジップによる2006年の研究では、カイロプラクティックを学ぶ学生の学習効果の向上が報告されています。
マインドマップに関する他の研究には、以下のようなものがあります。
- 2011年には、ジョエラン・ビールとステファン・ランガーがマインドマップの内容に関する研究を発表しています。この研究によると、ユーザーの大半はわずか数点 (平均点数 2.7) のマップを作成しており、ノードの平均数は多くなく (31点)、ノードには平均で3単語が含まれています。
- クラウディーン・ブルックスとクリストフ・ショマーは、2008年にテキストからのマインドマップの自動作成に関する研究を発表しています。T・ローゼンバーガーも、同僚とともに同様のレポートを同年に公開し ています。
マインドマップの歴史
イギリスのテレビ司会者トニー・ブザンは、1970年代に出演していた BBC の TV 番組シリーズ「頭を使おう (Use Your Head)」や「スマートな思考のための現代のマインドマッピング (Modern Mind Mapping for Smarter Thinking)」を始めとする数々の著作で「マインドマップ」という言葉を広めました。しかし、アイデアを視覚的にマッピングするという概念自体は、はるか昔に生まれていたものです。


3世紀のギリシャとローマの哲学者、テュロスのポルピュリオスは、アリストテレスの「範疇論 (Categories)」を視覚的に図式化した人物として知られています。彼の発明であるポルピュリオスの木はイラストを含まないものでしたが、後世の思想家らが後にこれを追加しました。13世紀の哲学者ラモン・リュイもまた、イラスト入りのポルピュリオスの木を含め、こうした図を使用しています。



歴史に名を残した思索家や発明者の多くが、絵や落書きを含み、曲線を多用した有機的な方法でノートを残してきたことで知られています。具体的には、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、アルバート・アインシュタイン、 マリー・キュリー、トーマス・エジソン、マーク・トウェインなどが挙げられます。

1950年代には、学習の過程と概念間の意味関係を理論化した意味ネットワークが登場しました。アーラン・M・コリンズと M・ロス・キリアンがこの理論を1960年代に発展させています。1970年代には、教育分野の専門家らが、放射状の構造を有するものの、マインドマップのように中心となる概念の周囲に形成されてはいない形式のコンセプトマップを作り出しています。一方でブザンは、自身のマインドマップアプローチが、ロバート・A・ハインラインや A・E・ヴァン・ヴォークトなどの SF 作家により広まったアルフレッド・コージブスキーの一般意味論に着想を得たものであると述べています。ブザンは、情報を吸収する過程は必ずしも左から右、上から下といった線形なものではないことが多く、マインドマップはそうした過程に沿うよう設計されたものだとしています。
マインドマップに関連するコンセプトには以下のようなものがあります。
- サンバースト図: 複数のレベルから構成される図で、リング図とも呼ばれます。
- レーダーチャート: ベン図やオイラー図を発展させたもので、これらの図にポイン トを追加し、クモの巣のようにポイントを結合させた図です。
- ニーモニック: 学習改善のための簡略記憶記号を指し、頭字語、視覚によるキーや音など、さまざまな形態があります。
- 統一モデリング言語 (UML) 図: ソフトウェアエンジニアリングにおいてシステム設計を視覚化するために用いられます。